

当センターは、災害対策専門職員の育成、実践的な防災研究と若手防災専門家の育成、災害対応の現地支援、交流・ネットワーク、展示、資料収集・保存の機能を備えていますが、なかでも災害に関する実践的な人材の育成の一環として、「災害対策専門研修」を重点課題として推進しています。
この研修は、センターがオープンした平成14年度から実施しており、カリキュラムや講義内容については受講者から高い評価をいただいています。また、国の中央防災会議においても、我が国の防災担当職員の資質の向上を図る研修としての位置付けをいただいておりますが、研修内容をより一層効率の高いものとするため、これまでの受講者の評価やニーズ、社会的な要請を十分ふまえたうえで研修体系の見直しを行い、平成18年度から新しいカリキュラムを提供することといたしました。
今後予想される地震や集中豪雨、台風などによる災害に備え、また東海・東南海・南海地震や首都直下地震などの発生の切迫性が極めて高い巨大災害等に対処するために、防災関係職員に必要な知識・技術を習得しておくことは極めて重要であると考えております。この研修は、センターの研究員が実践的・総合的な研修として企画・運営し、講師も第一線の方々にお願いしております。また、受講者の知識やレベルに応じて無理なくステップアップできるよう工夫されており、必ずや、関係者のご期待にそえるものと自負しておりますので、ぜひとも受講されますようご案内いたします。

我が国は、これまで地震や津波、風水害などで多くの人的、物的な被害を被ってまいりました。平成22年に入りましてからも、17年ぶりに大津波警報が発令されたチリ地震津波、西日本を中心に多くの地域に甚大な被害をもたした梅雨前線集中豪雨など、各地で様々な災害が発生しており、常に災害の危険と隣り合わせにあるといえます。
政府といたしましても、これまでの災害経験を踏まえ、制度面、体制面、施設・設備面等で対策の充実を図っておりますが、これらを活かし、迅速かつ的確に災害対応業務を行うことができるか否かは、それを実際に行う人材の資質によるところが大きいといえます。特に災害対応業務に直接携わる地方公共団体の防災担当職員の能力向上、人材の育成は最重要課題であり、これを積極的に推進していくことが必要であると考えております。
人と防災未来センターでは、阪神・淡路大震災の経験と教訓をベースに最新の防災研究成果を踏まえた実践的・体系的な「災害対策専門研修」が行われており、地方自治体の防災担当者など、全国各地から多くの方々が受講されております。このような研修を積極的に活用することにより、防災担当者の能力の向上はもとより、組織全体の災害対応力の向上に努めていただきたいと考えております。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、大きな津波により東北地方から関東地方の太平洋沿岸で甚大な被害が発生するなど、戦後最大規模の災害となりました。他方、東海地震をはじめ、東南海・南海地震、首都直下地震等の切迫性が懸念されるなど、日本列島のどこで地震災害が発生しても不思議ではない状況にあり、防災・危機管理体制の強化が喫緊の課題となっております。
防災・危機管理体制の強化については、首長等幹部職員の危機管理能力の向上、防災担当職員の実践的対応力の向上、自主防災組織等の防災リーダーや地域住民の防災力の向上など人材育成が必要不可欠です。
消防庁においても、平成20年5月に消防法及び消防組織法を改正し、緊急消防援助隊の機動力の強化など大規模地震災害に備えた消防防災体制の強化を図っているところです。また、消防大学校において危機管理・防災教育科を設けて、幅広い防災教育の充実を図っております。
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターで開講されております「災害対策専門研修」におきましても、地方公共団体の職員等を対象に、専門家による高度な研修が行われております。この研修に多くの方々が参加していただき、地方公共団体間のネットワークが構築されることにより、我が国の防災・危機管理体制が充実されるよう期待しております。