◆◆阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターメールマガジン◆◆

 

—————————————-◇◇◇ 2017.04.13 発行 Vol.182◇◇◇

 

《MS明朝・MSゴシック等のフォントでご覧下さい》

 

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[1]防災日々雑感(第53回)
[2]研究員コラム
[3]研究員の活動報告
[4]運営課からのお知らせ
[5]副センター長より

 

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*[1]防災日々雑感(第53回)
*三重県 防災対策部災害対策課 専門員 松尾 康壽
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このコーナーでは、自治体の防災担当職員の方が、日々取り組んでいること、感じてい
ることなどを紹介してもらいます。

 

今回2回目のコラムを担当させて頂くことになりました、三重県防災対策部
の災害対策課に所属する松尾と申します。

 

今年の2月27日~28日にかけて参加させて頂いた「フォローアップ」研修における、
人防研究員の方々、研修に参加された皆様、本当に楽しいかつ、新鮮・将来を見据えた各
種の研究成果等の研修を受けさせて頂きましたことに感謝、感謝です。
早いもので、防災職に就いて10年の節目を越えました。この間「3.11」を初めとす
る、容赦のない大自然の猛威を目のあたりにしながら、減災・防災を達成するための日々
3.11以前は、県市町単位の視野・視点での防災行政を主体としながらも、一部で広域
連携を模索する時代から、今や、広域連携・受援力の向上等々次元が違うような、防災行
政が当たり前になるとともに、防災に携わる我々もこの時代に合った見識・知見を要求さ
れる時代になったこと痛烈に感じます。

 

市町等職員の災害対策能力の向上を狙いに実施(参画)した、平成26年の「市町防災
職員の図上訓練」は、人防で習った目標管理型図上訓練を基本とし、当時の研究員の皆様
に相談しながら作成した「三重版目標管理型図上訓練の要領」をもって実施し、現在まで
その内容を改善しつつ実施しています。
また、一昨年度の知事以下で実施した「総合図上訓練」で知事等から受けた指摘、将来
を見据えた対策を明確に!・・の具体策の一環として各部局長以下全員に対し、参考にし
ているのも、正にこの「目標管理型」の考えです。「更に進化させます!」

 

また、昨年度の総合防災訓練では、熊本地震の課題等から得た、被災者支援の充実の一
方策として実施した「被災者支援拠点(機能)の充実」(イメージは「熊本の火の国会議」)
については、27年度のフォローアップ研修時の「中核的研究プロジェクト研究成果」(避
難所の総合マネージメント、官民連携組織体の提案、行政機関と外部機関の効果的な連携
等)と参加された研究員・研修者などから頂いた助言等を基にした、三重県津市との合同
訓練の場で調整のためのシステムとしての、2回のフェーズを変えての「あのつ会議(仮
称)」の実施による、被災者側のニーズの共有と支援側の支援事項等のマッチング等、先
進的な取組への一歩となりました。「施策の先を見つめて!」

 

そして、今般のフォローアップ研修で得た知識と皆様で話し合った知恵を基に、組織間
連携を基本とした、今年度三重県で作成を予定している「三重県広域受援計画(仮称)」
等への反映ができればと考えています。また、皆さんのご教授を頂くと思います。「感謝
・感謝です!」

 

また、災害発生時の情報収集・分析体制等の災害対策本部機能の強化、物資・医療搬送
等の緊急輸送路の確保と孤立の解消、広域応援・受援態勢の構築等々、三重県災害対策機
能の弱点を補うことを視点にした「関係機関との連携施策」も3.11以降、逐次検討し、
県主催の図上訓練、実動訓練及び自衛隊が主催する防災図上訓練(78時間連続状況下の
訓練)への参加等々での検証・確認を積み重ね、関係機関間の共通の施策・活動としての
成果と、何と言っても「顔の見える関係」の構築が深化しつつあることも喜びの一つです。

 

(追 伸)
昨年5月26日~27日の伊勢志摩サミットご支援に感謝いたします。
自衛隊等の関係機関との連携等の任務をもって、現地の三重県伊勢志摩サミット推進局
現地事務所に、前後の約一週間勤務させて頂き、不測事態時の対応等々について学ぶこと
ができ、大きな財産になりました。
(現地住民の安全安心の確保とそのために必要な各種の制約は比例すること、そして地
域を挙げた協力体制の構築と個人・組織の覚悟の必要性を感じました。)
この、4月21日~5月14日の間、三重県サンアリーナとその周辺で「お伊勢さん菓
子博2017」が開催されます。お菓子文化ゾーン、夢おかしゾーン等々に分かれ全国の
おいしい・珍しいお菓子が集合します。三重県へおいでください! 旅への期待感を「予
感」し、滞在中の体験により「体感」し、後から沸き上がる「実感」を!是非ご堪能くだ
さい。皆様の各方面における、ご健闘・ご活躍を祈念します。

 

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*[2]研究員コラム
*本塚智貴 主任研究員
-自らの暮らす地域の魅力と欠点を知る旅-
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人と防災未来センターに赴任してきて1年が経過しました。もともと、私の専門は建築
であり、とくに生業や人の営みとともにある集落景観の保全や活用をテーマとしてきまし
た。気がつけばインドネシアの災害初期対応(POSKO)の研究で論文を書いて、防災について
考えるようになっていましたが、その原点にあるものは変わってはいません。
地域の方と一緒になって防災について取り組む機会やお話をさせていただく機会が増え
ています。その際にいつも言っていることがまちの「魅力」と「欠点」を一緒に考えてく
ださいということです。どれだけ美しいまちにも「欠点」はあります。災害の危険性もそ
の1つです。「欠点」にばかり目を向けていると、ではなぜそこに暮らしているのか?と
いった疑問に答えることができなくなります。きっとその土地には「欠点」を上回る「魅
力」があるはずです。防災を考える時にもこの視点が重要だと考えています。
津波の危険性がある地域が全て同じとは限りません。すぐ背後に避難できる山がある場
所もあれば、平野が広がり逃げ場所がない地域もあります。それぞれの地域にあった対応・
対策が必要となってきます。その際に、「欠点」だけを見るのではなく地域ならではの「魅
力」にも目を向けることが重要です。過去の伝承が生かされている、地域が普段から顔の
見える関係にある、整備された避難路があるといった様々な「魅力(=強み)」と「欠点」
を結びつけることによって、本当に地域にあった対策というものが見つかると思います。
逆に「欠点」に「欠点」が重なることも予想されます。
こうした地域の「魅力」と「欠点」は1人では気がつかないことも多くあります。人に
よっては「魅力」と思うことが別の人にとっては「欠点」と感じているかもしれません。
こうした認識を共有することが重要になってきます。そして、地域を知るために最も重要
なことは自分の足で歩くことです。最近は少しの買い物に行くにも車を使ってしまう人が
多いようです。自分の住んでいるまちについても、全然知らないという人が多いのではな
いでしょうか。職場と自宅の往復で1日が終わる。同じ道の繰り返しになっている。それ
では自らの暮らす地域の「魅力」に気がつくことはできません。たまには遠回りしたり違
った道を歩いてみたりしてはいかがでしょうか。思いがけない風景との出会いや素敵なお
店が見つかるかもしれません。春の陽気なこの時期だからこそ、有名な花見スポットでは
なく自分だけのお花見スポットを探す旅に出てはいかがでしょうか

 

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*[3]研究員の活動報告
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■ 宇田川真之 研究主幹
年度末に、「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」が公表とな
りました。受援担当部署/者の設置の必要性・役割の概要などを、都道府県と市町村別に提
言されました。
http://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/pdf/jyuen_guidelines.pdf
大規模な災害にも対応できるよう災害本部の機能を強化するには、単独自治体での備え
に加え、効果的な外部連携できるよう想定しておくことが不可欠と考えられるようになっ
ています。今年度は各地で、ガイドラインを参考にしつつ、市町村の規模等の実態に応じ
た様々な受援計画の策定が進むことが期待され、必要な支援を行えればと思います。

 

■ 高田洋介 主任研究員
先月は福祉避難所に関する研究で、人と防災未来センターと共同研究をしております、
フリンダース大学(オーストラリア)に行ってまいりました。オーストラリアでの避難が
必要になるような災害は地震よりも洪水の方が多いのですが、日本のようにインフラや住
宅が壊滅的に破壊されて、長期間の避難生活を強いられることは経験が無く、長くても7日
程度で解消されるため、あまり避難所にまつわる課題を日本よりも経験していないという
背景がありました。また、避難所運営は基本的に赤十字が行うため、行政職員が避難所運
営に人手をとられて行政機能が麻痺することは基本的にないという点が日本と大きな違い
にありました。オーストラリアでも高齢化が進んでおり、災害時での要配慮者への対応が
徐々に大きな課題となりつつあります。世界で最も高齢社会にある日本の対応は世界から
その対応が注目されているため、好事例を発信できるようにしていきたいものです。

 

■ 坪井塑太郎 主任研究員
先月3月末に中華人民共和国四川省の省都・成都市で行われた「2017年減軽災害風臉管理
与教育実践論壇(災害リスク管理と教育実践フォーラム)」に自身の発表を兼ねて出席をし
てきました。中国では、北京五輪開催直前の2008年5月12日に四川省で巨大な地震が発生し、
大きな被害が発生しましたが、その後、社区(コミュニティ)防災の取組みや、学校での
避難訓練の実施はもちろん、災害や地域に係るデータベースの構築・研究等が積極的かつ
計画的に進められています。併せて、2016年10月に成都市内に「減災防災教育館」という
大きな展示教育施設がオープンしています。同施設では、映像と連動して椅子が動き、煙
や水飛沫等も飛ぶ、文字通り「体感型」の展示の工夫が行われているほか、地震災害にと
どまらず、洪水災害や土砂災害などもふくめて体系的にこれらを学ぶことができるように
なっています。自身も、日本における災害や防災の知見・経験を改めて整理し、自身、し
っかり、ていねいに伝えることが出来るよう本年度も頑張ろうと思います。本年度も何卒
よろしくお願いいたします。

 

■ 荒木裕子 主任研究員
4月となり、人と防災未来センターの周辺でも桜が順繰りに花開いております。本年度も
どうぞよろしくお願いいたします。昨年度は熊本地震に始まる4月でした。そのためこれま
で継続して研究を行っている東北にほとんど足を運ぶことが出来ず、先月3月にようやく2
回に分けて行って参りました。岩手・宮城県の東日本大震災の浸水地の約1/3には災害危険
区域が掛けられておりますが、一方で災害危険区域を掛けずに対応している自治体も少数
ですがあります。どのように安全を確保しようとしているのか、またご報告したいと考え
ております。

 

■ 菅野拓 主任研究員
熊本県益城町の復興課のみなさんと一緒に、仮設住宅入居者の生活再建支援を担当する
様々な部局の町職員さんや、見守り・生活支援・再建支援を実施するNPOなどの民間非営利
団体の職員さんを集めての勉強会・ワールドカフェを実施しました。熊本地震では「地域
支え合いセンター」などを設置し、見守り・生活支援・再建支援を実施しています。ただ
し、東日本大震災の状況などからみて、仮設住宅入居者の生活再建を阻む要素は、住宅・
しごと・福祉などの分野にまたがる複合的なものであり、様々な行政部局や民間組織が入
居者の状況を共有しながら役割分担しつつ、支援を実施しないと生活再建がうまくなされ
ません。このような様々な部局や組織が集まる場をきっかけに、入居者の状況に寄り添っ
たサポートができるとよいなと思っています。

 

■ 中林啓修 主任研究員
3月末の話題になりますが、地域安全学会の電子ジャーナルNo.30に論文「米軍による日
本国内での災害救援-阪神・淡路大震災以降の展開-」が掲載されました。主に制度的な部
分を中心に執筆したこの論文をステップに、今年度はもう少し現場に近いところの論文を
書こうと思っております。まだまだここでご紹介できる段階ではないのですが、このテー
マを含めて、いくつかのテーマについて、データを集めたりアポを入れたりと、せっせと
仕込みを行なっております。
那覇を離れ、不安一杯で神戸の 地に足を踏み入れてから、あっという間に1年が過ぎま
した。皆様のおかげで得難い経験をたくさんさせていただきながら、大過なく1年を過ごす
ことができました。平成29年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

■  松川杏寧 主任研究員
4月に入り、春眠暁を覚えずなのか、寝不足が続いているせいか、花粉症の薬のせいか、
眠さをこらえながら出勤しています。昨年度は、4月の赴任早々に熊本地震が発生し、現地
支援から検証まで、いろいろと関わらせていただきました。その分思い出が濃いようで、
人防研究員生活がまだ1年とは思えないような時間間隔です。今年度は熊本地震や東日本の
被災地と引き続きつながりながら、より実践的な研究に邁進できるよう精進したいと思っ
ております。

 

■  本塚智貴 主任研究員
JICAの研修でチリの方(行政担当者)向けに日本のインフォーマルな防災教育についてお
話させていただきました。その中でクロスロードゲームを紹介し、大量の衣類が届いた際
にどうするのかをチリの方たちに話し合っていただきました。選択肢としては「燃やす」
か「燃やさない」の2択でしたが、チリの方は全員「燃やさない」を選択されました。理
由としては、そのまま衣類として渡すのではなく加工しておもちゃにできるとか、以前に
同様のケースが発生したが、燃やす必要はない。ただ、ネズミ対策として土に埋めたとか、
販売してお金に換えるといった意見をいただきました。国によって対応や考え方は様々だ
ということを新ためて実感しました。

■  辻岡綾 研究員
3月は年度末のバタバタの中でしたが、センター事業で熊本地震の対応職員の方々、個人
としては自治体防災部局にお勤めの退職自衛官の方々など、沢山の行政職員様にヒアリン
グをさせて頂く機会を頂きました。1時間のつもりが2時間、3時間近くになることもあり、
色々な思いを内に閉じ込めながら、お仕事されているのだなぁ…と感慨深く聞くこともあ
りました。「災害伝承」とまでは行かずとも、個人の災害対応経験や日頃の災害対応業務
での知見やノウハウをきちんと記録していくことの大事さを改めて認識する機会となりま
した。今年度もどうぞ宜しくお願い致します。

 

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*[4]運営課からのお知らせ
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●【開催中】企画展「地震サイエンス2017~地震の観測・研究 最前線~」
阪神・淡路大震災以降、地震の観測・研究は進歩を続けており、その成果は広く防災情
報へと応用されつつあります。この企画展では、科学の分野で関係機関がどのようなこと
に取り組んでいるのかを具体的に紹介しています。
来館者が、はじめて見るものや、はじめて知ることを通じて、地震観測・研究の最前線
を知り、防災や減災の必要性を改めて考える契機としていただければと思います。
<期間>平成29年3月7日(水)~7月2日(日)
<会場>西館2階 防災未来ギャラリー(有料ゾーン)

 

●【4/11~開催】「減災デザイン&プランニング・コンペ2017」成果展示
「減災」をテーマとしたデザインやアイデアを公募する「減災デザイン&プランニング・
コンペ2017」の成果をパネルや現物モデルで展示します。
<期間>平成29年4月11日(火)~平成29年5月7日(日)
<会場>西館1階 ロビー(無料ゾーン)

 

●【お知らせ】夜間ライトアップ実施中
人と防災未来センターでは、西館の夜間ライトアップを実施しています。
4月の点灯時間は18:30~21:00、月毎に変更するカラーテーマは「桜花」です。
ご来館の際、お近くにお立ち寄りの際には、ぜひライトアップもご覧ください。

 

●【お知らせ】毎月17日が入館料無料となります!
人と防災未来センターは平成29年で開館から15周年を迎えました。阪神・淡路大震
災から20年以上が経過し、記憶の風化が懸念される中、より多くの方々に震災の経験と
教訓に基づいた防災情報と「減災活動の日」への理解を深めるため、平成29年1月から、
毎月17日(休館日の場合は翌日)の入館料を無料にします。この機会を活用いただき、
より多くの方のご来館をお待ちしています。

 

問い合わせ先:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 観覧案内
TEL(078)262-5050/FAX(078)262-5055

 

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*[5]副センター長より
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4月になって急に暖かくなり、植物が一斉に芽吹いて、花を咲かせました。年度の変わ
り目、新しいことが始まる、期待高まる季節です。メールマガジン読者の皆様の中には4
月から新しい職場に移られた方もいらっしゃるものと思います。
人と防災未来センターも、上野研究調査員と山本嘱託研究員を送り出し、新たに毎日放
送の福本特別研究調査員を迎えました。その他、事業課長と運営課長が異動したほか、3
名の新しい職員が着任しました。
センターのスタッフはどんどん変わってしまいますが、メールマガジン読者の皆様との
ネットワークは途切れることはありません。お近くにお越しの際には是非お寄りいただき、
近況をお聞かせいただければと思います。また、センターの運営についてご意見、ご要望
がありましたら、下記アドレスまでメールをいただければ幸いです。
私が副センター長を拝命して1年が経ちました。新年度の始まりに際し、センターの運
営について情報発信する場を持ちたいと思い、今号からコラムを書かせていただくことに
しました。どうぞよろしくお願いいたします。
白石秀俊
センターの運営に関するご意見、ご要望は副センター長〈goiken@dri.ne.jp〉まで。

 


 

メールマガジンの送付先に関することは、
人と防災未来センターメルマガ問合せ窓口<mail-info@dri.ne.jp>
担当:丸山
TEL:078-262-5060