◆◆阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターメールマガジン◆◆

—————————————-◇◇◇ 2017.08.14 発行 Vol.188◇◇◇

《MS明朝・MSゴシック等のフォントでご覧下さい》

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[1]防災日々雑感(第57回)
[2]研究員コラム
[3]研究員の活動報告
[4]運営課からのお知らせ
[5]副センター長より

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*[1]防災日々雑感(第57回)
*大阪府堺市南区役所自治推進課 谷口重二
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 このコーナーでは、自治体の防災担当職員の方が、日々取り組んでいること、感じてい
ることなどを紹介してもらいます。

 本年6月から7月にかけて梅雨前線にともなう大雨や台風3号の影響により九州北部地
方や東北地方・北陸地方での大雨等による被害によりお亡くなりになられ方々のご冥福と
被災された皆様の一日も早い復興をお祈りしております。

 全国各地で地震をはじめとする多くの災害が発生し、痛ましい犠牲者や被害報告が後を
絶ちません。
 南海トラフ巨大地震の発生確率も着実に高まっている所です。
 各市町村でも災害対応にむけてマニュアルや各種計画の見直しを図られていることと思
います。
 堺市においても小学校校区の防災活動計画である「校区カルテ」や「校区避難所運営マ
ニュアル」の作成などを進めています。
 そのような中、「災害列島日本」といわれる状況を鑑みると、地震災害だけでなく大規
模な土砂災害や水害にもしっかりと目をむけていく必要があると感じます。
 日本各地で「記録的短時間大雨」が観測されており、7月には、福岡県朝倉で1時間の
最大雨量が129.5ミリ、24時間の最大雨量が545.5ミリを記録する大雨となりました。この
大雨にともない、大規模な土砂災害や流木が多くの箇所で発生したことで被害が拡大しま
した。

 過去には、堺市でも2008年(平成20年)9月5日に1時間に93.5mmの雨量が観測され、
市内でも床上浸水などの被害が発生しています。
 堺市内は7行政区に分かれ、その中でも南区は今年「まちびらき50周年」をかかえる
泉北ニュータウンや丘陵地域に住宅が点在する地域となっています。(H29.7.1現在 南区
は59,942世帯、人口143,844人)
 丘陵地であるため、堺市内にある142カ所の「土砂災害特別警戒区域」の内72.5%にあた
る103カ所が南区内に存在するため、大雨にともなう土砂災害対応にもしっかりと向き合わ
なければなりません。

 「人と防災未来センター」での多くの研修内容を活用させていただくと共に「防災の切
り口」として役立たせていただき、住民の安全安心のために、住民との防災対話を進めな
がら、災害対応・減災に努めたいと思います。

 最後となりますが、堺市は今「仁徳天皇陵古墳」をはじめとする堺市・羽曳野市・藤井
寺市に点在する「百舌鳥・古市古墳群」の「世界文化遺産登録」をめざし大阪府と3市が
一体となり取り組みを進めています。
 関西方面にお越しの際は、是非 堺市の古墳にも足をお運びください。
 ハニワ課長も待っています。  よろしくお願いします。

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*[2]研究員コラム
*辻岡 綾 研究員
*災害対応経験を記録する
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 毎年、日本の様々な場所で災害が発生しますが、行政の災害対応についてベテランの防
災担当職員の方達に聞くと、「いつも同じようなところで迷ったり、失敗している」と言
われることが多いように思います。「過去にどのような災害対応をしたのか?」というこ
とは、実際に災害対応を経験した人や、その時に現場に居合わせた人にしかわかりません。
そうなると、災害対応を経験していない人、現場に居合わせることができなかった人は、
また同じような失敗を繰り返してしまいます。では、このような事態を防ぐために、でき
ることはないのでしょうか?
 一例として、過去の災害対応経験の記録から、「あの時、こうしておけば良かった」
「この対応をしていたから助かった」など、実際の災害対応経験から出て来た知見や教訓、
反省などから、学ぶことができるのではないでしょうか。
 災害を経験した自治体では、「災害の記録誌」を作成されている所も多く、読んでいる
と参考になることが沢山あります。いつどういった対応をしたのかなどを、改めて関係者
間で事実関係を確認する、という作成のプロセスは当事者が災害対応を振り返る意味でも
重要なのかと思います。
 こういった記録を作成し、そこから学ぶために様々な手法が実践されています。一例と
しては、組織が学びを蓄積し、パフォーマンスを向上させるための手段として使われてい
るアフターアクションレビュー(AAR)というものがあります。元々は米国陸軍等で、戦
闘や訓練を振り返り、事後検証をするために実施されていたもののようです。事態を「成
功か・失敗か」と判断をするよりも「どう良かった・どう悪かった・どう改善するか」と
いう事を当事者が理解できるようにすることが目的になっています。
 その他に、エスノグラフィー調査という、元々は民族学や文化人類学の分野で開発され
た手法を使って災害を記録することもあります。エスノグラフィーとは、本来は特定の民
族・集団が持つ「異文化」について、具体的・体系的に記録するための研究方法の一つで
すが、災害をある種の「異文化」と捉えて、災害過程を明らかにすることを目的としてい
ます。
 また、個人や組織の経験をインタビューし、記録を作成して後世に伝える、という歴史
研究の視点が入った形のものはオーラル・ヒストリーと呼ばれています。オーラル・ヒス
トリーで有名な御厨貴先生によると「公人の、専門家による、万人のための口述記録」と
言えるそうです。(ここでは「公人」とは社会的に影響力がある人というように定義され
ています。)オーラル・ヒストリーは、政治家や官僚など公人の記憶を、国家の財産とし
て残すという意味と、歴史に残りにくいマイノリティなどから聞き取りをするといった二
系統に大きく分けられるそうです。
 上記に挙げたように、記録に残すための手法は様々あり、それらの活用方法は使い方次
第でケース・スタディにもなります。人が語ることなので、もちろん「事実」と「語られ
たこと」に違いが出てくることがあります。こういった記録には、長所も欠点もあります
が、当事者がいなくなってしまえば「消えてしまう」大切な記録を残しておくことは、や
はり必要なのではないかと思います。そういった記録をきちんと取り、振り返りをして次
に備えるということが、日本の防災行政に足りていないところなのでは、と感じています。 
これには「言わぬが花」という言葉があるように、日本人はさらけ出して話をするのが得
意でない体質が少なくとも影響しているのではないかと思います。成功したことは話して
も、失敗したことをわざわざ話したい、と思う方は少ないと思います。しかし「言わぬこ
とは聞こえぬ」という言葉もあるように、ぜひとも災害を経験した方々には、ご自身の災
害対応を記録して頂き(もしくは記録することを受け入れて頂き)、それを広く(広くな
くても、せめて内輪では)共有して頂きたい、と感じているところです。災害対応未経験
の方々には、他自治体や災害対応経験者の記録から学んで頂けることがきっと沢山あるの
ではないでしょうか。

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*[3]研究員の活動報告
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■宇田川真之 研究主幹
 7月には九州北部豪雨に伴う現地活動を、弊センターでは行いました。また、当該災害
での対応も踏まえた、大分県庁殿での県と市町村での合同研修に参画をいたしました。大
分県庁殿では、被災自治体への、情報連絡員(LO)および、被災自治体の支援チームの派
遣体制を構築しており、これら県職員(本庁、振興局)と自治体との合同研修です。大規
模災害時の対応には都道府県と市町村の連携が重要であり、こうした体制構築や事前研修
がより広範に行われるように、今後の研究、研修活動にもつなげてまいりたいと思います。

■高田洋介 主任研究員
 先日、海水浴場で有名な和歌山県白浜町に初めて行ってまいりました。ここは南海トラ
フ巨大地震が発生すると震度6強から7の揺れが襲い、地形にもよりますが、10分前後で
津波の第1波が到達すると予測されております。それとは関係なく、夏は美しい白い浜に
大勢の観光客が集まってきます。海辺の宿も大変繁盛しておりました。ここで白浜を話題
に取り上げるのは、津波からの迅速な避難をする対象は住民だけではなく観光客もという
ことです。すでに様々な津波避難の取り組みがなされていることは承知ですが、実体験と
して、宿泊手続きの際に、津波が予測される大きな地震があった際の逃げるルートや高台
の場所について、説明があった方がいいのではないかと感じました。以前に参加したイン
ドネシアのバリ島で開催された東アジアサミットのワークショップでは、国際会議の冒頭
で津波避難のための説明がありました。先日出張しました、タイのプーケットでは、津波
避難ルートのサインがあちこちにあり、ホテルを挙げての避難訓練や宿泊客の安否確認訓
練がなされていました。土地勘の無い人たちに逃げる方向だけでも事前に知らせておくと、
とっさの判断が早くなるのではないかと思いました。

■菅野拓 主任研究員
 7月の末に島根県の隠岐の島にある海士町に行ってきました。初めてではなく既に何度
か訪ねているのですが、一般には地方創生の取り組みで有名な町です。東日本大震災の被
災地は6年半近く経って、市町村ごとに復興~地域づくりにバリエーションがでています。
私がいい地域だなと思う被災市町村と海士町には共通した部分があるように感じています。
地域のレジリエンスとでも表現できるであろう、地域としてのイノベーション能力がいず
れも高いのです。災害だけを連続して見ずに、地域づくりといった、より広い視野から、
災害対応を見つめたほうが、様々な説明が可能なのではと思います。

■荒木裕子 主任研究員
 7月9日から7月11日まで、九州北部豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市、同東峰村、
大分県日田市に被害と対応状況の調査に入りました。内容についてはレポートをご覧いた
だければと思います。
http://www.dri.ne.jp/wordpress/wp-content/uploads/No.49-kyusyuhokubu.pdf
現地に入る前から、また現地を離れてからも、人防の研修等を通じてつながりのできた自
治体職員の方に沢山の情報提供をいただきました。また、熊本地震の支援でご一緒してい
た方が、人防のロゴを見かけてお声掛け下さり、現地の職員の方に繋いでいただくことも
ありました。その一方で、一昨年度の関東東北豪雨時の常総市で感じた課題は変わらず残
されており、忸怩たる思いもあります。これらの課題が解消できるよう、今後も努めて参
りたいと思います。

■坪井塑太郎 主任研究員
 いまから50年前…1967年(昭和42年)7月、西日本を中心に大雨が降り、兵庫県では神
戸市において日最大雨量が300㎜を超え、六甲山で大規模な土砂災害が発生しました。
 神戸では、1938年(昭和13年)と、1961年(昭和36年)にも大規模な土石流被害が発生
しており、同災害を契機に、砂防ダムの建設などが進んでいたものの、市街地を濁流が流
れ、多数の人的被害が発生したことが記録に残っています。2000年以降の水害統計の記録
においても、土石流や急傾斜地崩壊による一般資産被害額の割合は、年によって変動はあ
るものの、概ね半分近くを占めており、依然として高いリスクを持った災害であるといえ
ます。神戸は1995年の阪神・淡路大震災以降、「地震災害の街」として広く知られていま
すが、古くから,花崗岩地質の六甲山からの大量の土砂の供給により市内では、道路の上
を川が流れる「天井川」がいくつもみられるなど、「土砂災害の街」でもあり、砂防技術
や、植生、地形、リスクなどを含めて、これをきちんと、正しく伝えられるよう、今後も
しっかりと取り組んでいこうと思います。

■中林啓修 主任研究員
 7月は、前半が各地での調査、後半は先月送付したアンケート調査の戻りを集計しつつ、
秋に向けて論文執筆という充実した一月を過ごさせていただきました。その合間になりま
すが、大分県が主宰する県庁からの情報連絡員および支援チーム派遣と市町村によるこれ
らの受け入れに関する研修のお手伝いにお邪魔しました。実は、少し前にも山口県庁に自
治体間の応援・受援に関する講演とワークショップのお手伝いに伺って来ました。両自治
体とも、被災自治体の主体性を最優先しつつ、迅速に必要な応援を投入できるよう準備す
るという県の姿勢には、なかなかの見識を感じました。今後は、こういった研修に関する
ニーズも高まるものと思われます。我々もしっかりと知見や手法を磨いていきたいと思い
ます。

■本塚智貴 主任研究員
 前職の同僚の先生とJR西日本和歌山支社さんが実施している防災教育列車「鉄學」の取
り組みに協力させていただいています。以前にメルマガでもご紹介させていただきました
が、私自身も南紀熊野ジオパークの活動と連携して、防災と観光を組み合わせた「防災ジ
オツアー」による地域防災教育に取り組んでいます。マイナスをプラスに変える発想で、
列車の本数の少なさや海岸沿いを走っている紀勢線の特色を活かして、駅でない場所に列
車を止めて実際に列車から降りる訓練を実施するとともに、普段は目にすることができな
い風景を楽しめるプログラムになっています。まだまだ試行錯誤の段階ですが、両者が連
携し、楽しみながら防災を学べる持続可能なプログラムができればと検討しています。幸
いなことに南紀熊野地域での活動は広がりを見せつつあり、参加主体も増えてきています。
人のつながりを南海トラフの備えにつなげていきたいと意気込んでいます。

■松川杏寧 主任研究員
 梅雨が明けて一気に暑くなり、日々セミの声で体感温度が上昇しているように感じます。
また最近では台風が日本列島を縦断し、各地で被害が出ております。これをご覧の皆様も、
ご対応等ご苦労されていると思います。どうぞ、お体ご自愛くださいませ。
 夏といえば、私が僭越ながら会長を務める、『安全・安心若手研究会』で地域安全学夏
の学校を開催しております。若手及び自称若手の方を対象に、災害や防災に関する基礎的
な勉強をするための会として実施しております。今年は2回目で、50人を超えるご参加を
いただき、盛況のうちに幕を閉じました。東京大学の関谷直也特任准教授に「災害心理」
の講義を、常葉大学の田中聡教授に「行政対応」の講義を、東京大学の加藤孝明准教授に
「災害復興」の講義を行っていただきました。合間のグループワークやポスターセッショ
ンで、参加者が活発に交流することができました。参加した学生の中には、研究職になる
のではなく企業や行政に就職する人も多いと思います。こういった機会を活用して、日本
の至る所で防災・減災について知っている、考えられる人材が育っていけばいいと思いな
がら、台風の進路を気にしつつ新幹線で帰路につきました。

■辻岡綾 研究員
 7月は、特定研究の一環で「災害の記憶を伝える場の保存とそれらを用いた記憶継承に
関する研究会」で、熊本地震で被害のあった益城町教育委員会の方々にお越し頂きました。
初日は松本地区のまちあるき後に講演会と意見交換会、次の日は淡路島の野島断層保存館
の見学と震災復興事業を実施した地区でのまちあるきを行いました。改めて一緒に視察を
させてもらう中で、阪神・淡路大震災の記録を語り継ぐ為に、様々な工夫がされているこ
とを実感しました。語り部の方からもお話を伺い、次の世代の担い手育成に尽力されてい
ることを聞きました。熊本はこれからですが、どう語り継ぎ、残していくのかについてお
互いに知恵を出し合いながら進んでいけたらと感じました。

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*[4]運営課からのお知らせ
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●【新規】「HAT減災サマー・フェス」を開催
 昨年度に引き続き、今年も「HAT減災サマー・フェス」を8月26日(土)に開催し
ます。
 「減災縁日」と題して、屋外ひろばに体験ブースやおやつ屋台などを縁日風に配置。ご
家族やご友人と一緒に、楽しく遊びながら減災について学んでください。その他にも、夜
間ライトアップセレモニーや、ミニライブ、減災食の試食など様々なイベントを予定して
います。開催時間がそれぞれ異なるため、詳細はホームページ( http://www.dri.ne.jp/ )
で確認を。
 夏休み最後の週末をぜひ人と防災未来センターでお過ごしください。
 <開催日>平成29年8月26日(土) ※時間はイベントによって異なります。
 <会 場>屋外ひろば ほか

●【企画展】「夏休み防災未来学校2017」を開催
 7月22日(土)から8月31日(木)まで「夏休み防災未来学校2017」を開催し
ます。例年、夏休み期間中に開催するこの催しでは、子どもから大人まで楽しみながら防
災・減災について学ぶことができるプログラムを多数用意しています。プログラムの詳細
及び参加申込方法についてはWEB( http://hitobou.com/event/summer/ )をご確認く
ださい。皆様のご参加をお待ちしています。
 <開催期間>開催中~平成29年8月31日(木)
<会  場>西館2階防災未来ギャラリー(有料ゾーン)ほか

●【お知らせ】夜間ライトアップ実施中
 人と防災未来センターでは、西館の夜間ライトアップを実施しています。
 8月の点灯時間は18:45~21:00、月毎に変更するカラーテーマは「ひまわり」です。
 ご来館の際、お近くにお立ち寄りの際には、ぜひライトアップもご覧ください。

●【お知らせ】高校生の入館料が無料になりました
 平成29年4月より高校生の入館料が無料になりました。防災・減災学習の場として、
より多くの学生の皆様のご利用をお待ちしています。
 <入館料金>大人:600円、大学生:450円、高校生以下無料
       ※障がい者、70歳以上の高齢者は証明書提示で割引有

●【お知らせ】毎月17日は入館料無料
 人と防災未来センターは平成29年で開館から15周年を迎えました。阪神・淡路大震
災から20年以上が経過し、記憶の風化が懸念される中、より多くの方々に震災の経験と
教訓に基づいた防災情報と「減災活動の日」への理解を深めるため、平成29年1月から、
毎月17日(休館日の場合は翌日)の入館料が無料となりました。8月の無料観覧日は8
月17日(木)です。この機会を活用いただき、より多くの方のご来館をお待ちしていま
す。

問い合わせ先:阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 観覧案内
TEL(078)262-5050/FAX(078)262-5055

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*[5]副センター長より
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 九州北部豪雨に続き、梅雨前線に伴う秋田県等での大雨、日本を縦断した台風第5号に
よる風雨など災害が続いています。被災された皆様にはお見舞い申し上げますとともに、
一日も早く復旧・復興が進むよう祈念しています。今後も台風や秋雨前線に伴う災害が予
想されます。防災担当の皆様には気を抜けない日々が続きますが、健康に留意しつつ、事
前準備に万全を期し、引き続き緊張感をもって対応していただければと思います。
 さて、今回から数回にわたり「復興」について書きたいと思います。論点は次の2つで
す。
(1)「復興」は災害対策か。
(2)「復興」を成功させることは不可能ではないか。
 (1)について、災害対策基本法では、基本理念(第2条の2)として「国及び地方公
共団体は、(略)災害からの復興に努めなければならない」(法制定当初は施策における
防災上の配慮等(第8条)に規定)とされていますが、必ずしも災害対策として実施する
ことを想定しておらず(災害に起因して実施するものではあるが、平常時の施策の枠内で
取り組むことを前提に)、国土庁防災局(現内閣府防災)の業務ではないと整理されてい
ました。国政上、災害対応として復興が課題と認識されたのは雲仙普賢岳の噴火災害に伴
う被災地の復興が最初であり、このとき国土庁防災局に復興対策課が設置され、その後の
阪神・淡路大震災、東日本大震災等を経て復興の比重が大きくなってきました。
(2)について、一般的に災害が発生した場合、緊急・応急対応からインフラ等の復旧、
被災者の援護を進め、復興へと向かいます。もちろん、復興の成否はその目標の設定いか
んで変わってくるのですが、復興の取組は長い時間(5年や10年、あるいはそれ以上の
年月)を要するという難しさもあります。さらに「創造的復興」となると価値観が入って
しまい夢のような未来を想起させてしまう可能性もあるので、ますます難しくなります。
 この2つの論点について、次回以降もう少し詳しく書きたいと思います。なお、本稿は
私の経験に基づき私個人の考えを書いておりますので事実誤認等があるかもしれません。
その場合には遠慮なくご指摘いただければ幸いです。

最近のセンターの動きについて報告いたします。
1.九州北部豪雨災害については、7月21日に「平成29年7月九州北部豪雨に関する現地調
 査報告」を公表しました( http://www.dri.ne.jp/no49report )。また、引き続き情報
 収集に努めるとともに、要請に伴う有用な関連資料や過去事例の提供、業務経験者等の
 紹介などを行っています。
2.7月18日(火)に予定していた福島県でのトップフォーラムは、前日からの大雨の影
 響で11月15日(水)に延期になりました。
                                    白石秀俊
センターの運営に関するご意見、ご要望は副センター長〈 goiken@dri.ne.jp 〉まで。