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2005年2月17日、東京・大手町のサンケイホールで「1.17は忘れない−次なる大震災に備えて−」と題した、阪神・淡路大震災復興フォーラムが行われました。2時間近くにわたるパネルディスカッションでは、復興を支援してきた市民の代表の方々から10年間の活動の歩みが報告され、パネリストらによる復興事業の進行状況や、どのような街づくりを目指すべきかについての討論が行われました。
【1】災害弱者にどう対応するか
阪神・淡路大震災によって浮き彫りとなった「災害弱者」への対応の問題。震災直後から10年が経過した今日まで、高齢者・障害者・子どもたち・日本語のわからない外国人などに対して、どのような対応が求められ、また対策が行われているのでしょうか。復興支援者とパネリストの発言から、一部ご紹介します。
■高齢世帯生活援助員・田中さん
復興住宅で孤立した生活を送っている高齢者のもとを訪れ、励ましの声をかけ続けています。地域コミュニティーにもっと力を入れ、「皆で見守る」ことが大切だと思います。
■まちの保健室・高山さん
連れ合いを亡くした男性の閉じこもり・引きこもりがとくに多いように感じます。心の声に耳を傾ける努力を、続けていきたいです。
■多言語センターFACIL代表・吉富さん
震災直後、地震による惨事だと理解できなかった外国人が、人の流れについて行ったら避難所にたどり着いたというケースがありました。彼らの日常生活における不安や戸惑いを取り除き、情報を提供するべく、多言語FM局を開設。少しずつ、その手応えを感じています。
■小学校教諭・神田さん
当時は、親族や友人を亡くした子どもたちへの「心のケア」対策がわからず、生徒たちに辛い思いをさせてしまったことが、いまでも悔やまれます。大人たちが浮かべる辛い表情に気づきながらも、無邪気に振る舞っていた子どもたちの姿に、逆に励まされたことを覚えています。
■ソクラテスプロジェクト・ソーシャルワーカー・逢沢さん
さまざまな事情で、震災後に兵庫を離れた被災者も大勢います。心情を話したり、支え合ったりという機会がとくに少なく、「心身の復興」からも取り残されがちで心細い思いをしている方が、いまも全国にいるという事実を知っていただきたいと思います。
■作家/元阪神・淡路復興委員会委員・堺屋太一氏
「官僚縦割り政治」によって、地域と官僚の間には未だ大きな落差があります。お役所のルールが絶対というのではなく、非常事態におけるバックアップをもっと考えていただきたいですね。。
■独立行政法人消防研究所理事長・室崎益輝氏
ボロ住宅で生活していた留学生も、震災で多数亡くなりました。家賃の安い老朽化した住宅に住まざるを得ない、といった社会のしくみの問題点についても検討していただきたいです。また、コミュニティーの3要素として「人・土地・暮らし(文化・仕事)」のつながりをもっと重視してほしいと思います。
【2】失われたコミュニティーをどう取り戻すか
震災によって失われた地域コミュニティーを取り戻すための、努力と時間をかけた地道な取り組みについても、活発な意見交換が行われました。
■大日通まちづくりを考える会・城戸さん
震災直後の12時間くらいは、近隣での助け合いがほとんどでした。助け・助けられて乗り越えていくことを、子どもたちにも伝えていきたいです。
■NPOまちコミュニケーション・上田さん
住民・専門家・ボランティアの三位一体の活動で、街は少しずつ元気になり、人も集まってくるようになりました。新しい街づくりがひとつの「復興文化」として根付いてほしいと考えています。
■神戸まちづくり協議会連合会事務局長・中島さん
街づくりは、行政と市民の共同作業です。地域のビジョンが明確なところほど、復興は成功しているように感じます。
■人と防災未来センター語り部ボランティア・栃尾さん
バラバラになったコミュニティー再建策のひとつとして、兵庫県では「声かけ運動」というものが行われています。障害者に限らず、隣近所でも勇気を出してひと声かけることで、繋がるコミュニティーがあることを知っていただけたらと思います。
■兵庫県知事・井戸敏三氏
これからの活動として、コミュニティービジネスの立ち上がり支援や住宅再建の支援などに力を入れていきたいと考えています。1.17を「兵庫安全の日」と位置づけて、強靱な社会づくりに取り組み、全国にも伝えていくことができればと思っています。
■作家/元阪神・淡路復興委員会委員・堺屋太一氏
あれだけの災害が起きても暴動や略奪が横行しなかったことは、日本人として誇りに思ってよいでしょう。これからは、神戸が21世紀のハイカラタウンとなれるよう新しい夢を持ってくれたら、と思います。
【3】未来へ向かって
フォーラムでは「未来へ向かって」と題し、若い世代からの復興に寄せる活動・メッセージも紹介されました。
■NPO法人1.17希望の灯り副理事長・加藤さん
震災で妹を亡くし、その気持ちをなかなか両親に伝えられられませんでした。自分の周りにいる人を大切にしてもらいたいです。
■兵庫県立舞子高等学校環境防災科教諭・諏訪さん
地域で防災や救助活動のできる人材を育てるのが目標です。
■兵庫県知事・井戸敏三
「災害」という自然科学と「防災」という社会科学を結びつけることを狙いとした教育が行われています。学生たちの興味がさまざまに広がっていることからも、「兵庫から防災教育を発信しよう」という目論見は、成功したように思います。
会場では、亡くなった被災者と同数の6,433羽の折り鶴によるモニュメントも紹介されました。これは『新たな旅立ち』と題され、神戸港から出航する船をモチーフに製作されたもの。数字を視覚的に捉えることで、いかに大きな災害だったかを伝えていました。
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