震災資料語り〜ものがたり〜

No.15

投稿日:2017.11.09(木)

水が出ない、炎は止まらない。
48時間燃え続け、お金は焼けた塊になった。

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溶けた硬貨(缶入り)

資料番号:4700349-001002

寄贈者:大貫計一氏(元本家オランダ館館長)

この資料は、神戸市長田区の菅原市場にあった中華料理店の焼け跡から拾われました。お店は、寄贈者の義母が経営していました。水道が止まり、消火活動ができず、お店の火災が鎮火したのは48時間後だったそうです。長時間高温で熱された硬貨は、溶けて塊になりました。この溶けた硬貨は、寄贈者の勤め先だった本家オランダ館でしばらく展示されていましたが、震災の教訓を伝え続けるためにと、寄贈されました。

※本家オランダ館:神戸・北野にある旧オランダ領事館として使われていた異人館の1つ。現在は公開されていません。

関連情報

菅原通はJR兵庫駅の東側に広がる一帯で、北側に隣接する御蔵通と合わせて御菅地区と呼ばれています。震災当日に火災が発生し、延べ5万7,459m2、751棟が焼損しました。戦災を免れた地区を含み古い建物が多いことが、広く延焼した原因のひとつと考えられています。その後区画整理事業の対象となり、市と地元住民との協議を経て、平成17年(2005年)に事業が完了しました。

震災で全焼した菅原市場は、仮設店舗での営業を経て、平成12年(2000年)に5店舗が共同でスーパーマーケットを開店しました。仮設店舗時代には、「被災地・長田」の象徴として、映画「男はつらいよ」のロケも行われています。スーパーにはロケ地の記念碑もありました。その後、スーパーは平成29年(2017年)に閉店しましたが、記念碑は近くの「すがはらすいせん公園」に移設される予定です。

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