このウェブページは、災害対応研究会から人と防災未来センターへ平成29年10月31日に寄贈されたウェブアーカイブです(リンクされているPDFも含みます)。
なお、災害対応研究会は平成28年度に活動を終えており、研究を引き継いだ「ジョイントセミナー減災」が平成28年度から活動を始めています。

このページについて

 災害対応研究会は、災害発生後の災害過程について体系的な理解を確立することを目的として、1998年4月に発足しました。年4回程度の会合をもち、1998年度〜2016年度まで活動してきました。このぺージはこの活動をアーカイブしたぺージです。


 災害対応研究会の前身は1995年から3年間継続した土木学会関西支部の阪神・淡路大震災調査特別委員会緊急対応分科会です。緊急対応分科会では「発災から最初の100日」に的をしぼっていましたが、災害対応研究会では復旧・復興までを視野に入れ、災害対応全般へと範囲を拡げました。
 そして緊急対応分科会から23年目、災害対応研究会から20年目にあたる2017年度、災害対応研究会は Joint Seminar 減災 として発展させて新たな活動を開始しています。


インフォメーション


リレーエッセイ

「レジリエンスのための想定」

 レジリエンスを向上させるには予測力、予防力、対応力の3つを強化することが重要である。災害発生前の想定、発生直後の被害、影響、必要資源の推定などの予測力は予防力、対応力にも影響する。
 事前の想定通りに災害が発生することはほとんどない。ごく限られた少数のシナリオに従って計算したものに過ぎないからであり、その裏側には計算できなかったシナリオが無限に存在する。少しパラメーターを変えれば結果は高くも低くもなる。重要なのは、予測力を高めることであり、一つの想定で止まってはいけない。
 災害が発生した時のことをどう予測するかについては、様々な研究者からその技術が提案されており、今日ではICTの発展によって、これらの技術をインターネットを通じて提供することが可能になっている。筆者が取り組んでいる「あなたのまちの直下型地震」というウェブサイトは、誰もが簡単に地震の震度、被害、ライフラインや事業所の停止などの災害過程を推定できるものだ。どうパラメーターを変えると結果がどう変わるかもわかる。知りたいと思った時に、自らこのサイトでいろいろな想定をやってみることで、自分とそれを取り巻く環境、組織が地震に対してどのような脆弱性があるかを調べられる。
 与えられる想定から、各主体が予防・対応を考えるために必要なデータを得るための想定へ。今後も、誰もが科学的なデータに基づきながら、予防力、対応力について考えられる仕組みとは何かを考えていきたい。

「あなたのまちの直下型地震」ウェブサイト


2016.12.14
国立研究開発法人防災科学技術研究所
 災害過程研究部門
 主幹研究員 鈴木 進吾
(ペンを鹿島建設株式会社技術研究所担当部長 永田茂さんへまわします。)


年間スケジュール

2016年度

 本研究会は、前身である土木学会関西支部緊急対応分科会から数えると、22年目に突入します。昨年10月には、研究会の代表である林春男先生が、国立行政法人 防災科学技術研究所 理事長になられるという、うれしい出来事がありました。それに伴い、これまでは林先生に頼りきりであった研究会の運営を、林研究室OBが担当することになりました。改めまして、よろしくお願いいたします。

林研究室OB事務局 代表   兵庫県立大学 准教授 木村 玲欧

■H28研究会テーマ■ 「風水害を考える」

林先生と相談の上、以下の理由から、決めました。 ・災害対応研究会ではあまり取り扱われていないテーマ ・地震災害由来の研究会であるが、今年は東日本大震災5年。数々の検証やイベントが行われるであろう  → 取り扱うならば来年以降に。 ・理学・工学の研究者にお越しいただき、社会科学が学ぶ勉強の場にしたい

第1回 風水害「過去の教訓と最新動向から今後の風水害避難を考える」
2016年 7月22日(金) 13:30〜16:30
第2回 「ワールドを訪ねて~新世代に着目」
10月28日(金) 13:30〜16:30
第3回 「国難と都市災害Ⅴ」
2017年 1月23日(月)〜24日(火)

旧会報誌より再編
原本タイトル:大森康正 原本イラスト:瀬尾理