震災資料語り〜ものがたり〜

No.13

投稿日:2017.11.09(木)

失った自宅、助かった自分。
火事のあと、思い出を拾い集めた。

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焼け焦げたキーホルダー

資料番号:386-001015

寄贈者:芦田千代子氏

早朝のラジオ体操を習慣にしていた寄贈者は、地震発生時には神戸市長田区にあった自宅で身支度をしていたところでした。揺れがおさまってから近くで暮らす娘の家に行き、片付けをしていたそうです。その間に自宅の方に火の手が回り、ご自身は無事でしたが、自宅は焼失。このキーホルダーは、その後に焼け跡で拾い集められた品々のひとつです。

関連情報

芦田さんのご自宅があった西代通4丁目は、長田区と須磨区の境目にあたります。地震発生直後の火災によってほぼ全域が焼失し、隣接する戸崎通3丁目に燃え広がりました。また西隣の須磨区大田町1丁目でも火災が発生、この2件の火災が合流した箇所もあり、消火活動が困難になりました。西側に延焼した火災は、2度の部署替えを経てなんとか延焼阻止に成功しています。

北側の戸崎通に延焼した火災は、地域住民約200名によるバケツリレーに消防団の放水が加わり、延焼を阻止しました。住民のバケツリレーによる消火活動は、灘区六甲町や兵庫区会下山公園南、長田区新長田駅南側などの火災でも行われ、延焼阻止の一助となりました。また戸崎通3丁目では、2丁目へ向かって倒れそうになった建物を反対側に倒したり、軒先のビニール製日よけを取り除くなどの活動も住民によって行われています。

西代通4丁目の火災の焼け止まり線となった西代通公園では、樹木が延焼を止めたことが確認されています。

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