減災報道研究会

減災報道研究会

 わが国は、災害の脅威を受けやすく、そこに暮らす個人やさまざまな組織は、それぞれの役割を踏まえながら協力して、被害を最小限に抑えることが求められます。地域社会の安全を確保するためには、住民と行政機関、報道機関、研究者の4者が連携して減災に取り組む姿勢が欠かせないと言えるでしょう。

 特に、災害対応を行う行政機関と、被災地の内外に向けて情報を伝える報道機関の連携は重要です。「減災社会の実現」という大きな目標を達成するために必要なのは、対立ではなく連携です。行政機関は単なる「報道対応」ではなく、減災を実現するための手段として、報道機関を通じた能動的な情報発信を行う必要があります。報道機関は責任追及の視点だけでなく、原因解明に重きを置いて、教訓を発掘し伝える姿勢が求められています。

 人と防災未来センターは、取材する側と取材される側が議論する場として、平成17年に災害報道研究会を発足させました。19年度は、「減災」という目標に向かって研究活動をより活発にするため、会の名称を「減災報道研究会」と改め、新たな体制で議論を始めました。減災報道研究会は「行政機関と報道機関が対話を通じて、住民・研究者とも連携しながら、災害対応能力を磨き合い、減災社会を実現するための実践的な活動を生み出す場」となることを目指します。

研究会の開催状況

開催日研究会内容
第27回(令和5年1月19日)命とくらしを守る被災者支援報道について考える
第26回(令和3年12月23日)多面的な視点で見る災害時安否不明者の氏名公表
第25回(令和3年2月25日)災害時の首長による記者会見のあり方について
第24回(令和2年9月2日)行政と報道機関の相互理解
第23回(令和元年9月3日)阪神・淡路大震災発生から25年 ~教訓をどう引き継ぐか~
第22回(令和元年5月14日)阪神・淡路大震災と震災報道の教訓
第21回(平成30年9月12日)南海トラフ巨大地震発生!その時、私たちは何を
考えるべきか
第20回(平成30年2月28日)防災・広報担当者が感じる災害報道の疑問点を解きほぐす
第19回(平成29年9月26日)九州北部豪雨の被災自治休における広報・報道対応について 〜大分県日田市における対応から〜
第18回(平成28年12月22日)熊本地震の被災自治体における広報・報道対応について 〜益城町における応急期から復旧・復興期の取組み〜
第17回(平成28年2月2日)原子力災害 〜もしもの時の「情報共有体制」をどう準備する?〜
第16回(平成27年6月1日)行方不明者の氏名公表 どうあるべきか
第15回(平成26年11月12日)阪神・淡路大震災から20年 〜その経験を組織内でどう受け継ぐ〜
第14回(平成26年7月29日)府県ごとの被害想定 担当者が語る策定ウラ話 〜南海トラフ地震の実像をどう伝える〜
第13回(平成26年2月5日)被害想定結果の住民広報について〜南海トラフでの地震にともなう津波想定などの伝え方と活用〜
第12回(平成25年8月23日)水害危険時の防災気象情報と、被災後の地域からの情報発信 〜平成21年台風第9号被災地での取組みと、新しい気象警報について〜
第11回(平成25年2月1日)東日本大震災の被災地における広報活動について(2)〜気仙沼市における取組み〜
第10回(平成24年10月31日)東日本大震災の被災地における広報活動について(1)〜南相馬市における取組み〜
第9回(平成23年1月28日)局地的豪雨に対する防災情報と地域メディアの役割(2)〜奄美市における平成22年10月豪雨災害への対応から〜
第8回(平成22年9月6日)局地的豪雨に対する防災情報と被災後の地域メディアの役割(1)〜佐用町における平成21年台風第9号災害への対応から〜
第7回(平成22年5月31日)津波情報のより有効な活用にむけて〜チリ遠地津波の災害対応をふりかえる〜
第4回(平成21年3月3日)広域複合災害(地震と原子力災害や化学災害)が起きた時の心構え〜東海村JCO事故と新潟県中越沖地震から学ぶ〜
第3回(平成20年12月19日)行政から報道機関・住民へ何をどう伝えるか(2)〜集中豪雨被災地における情報の伝わり方と課題〜
第2回(平成20年7月11日)行政から報道機関・住民へ何をどう伝えるか 〜防災(災害)情報システム利用の観点から〜
第1回(平成19年5月30日)報道・行政・研究者が連携して減災に取り組む仕組みづくり〜岩手山噴火危機に学ぶ