減災報道研究会 第17回研究会

テーマ

原子力災害 〜もしもの時の「情報共有体制」をどう準備する?〜

概要

未曾有の原発事故を引き起こした東日本大震災から5年が経過しようとしています。事故の処理と廃炉の作業は今なお継続されており、多くの住民は未だに避難を余儀なくされています。
原子力発電所の安全神話が崩れる中、政府はエネルギー安全保障、経済性、地球温暖化対策などの観点から、原子力発電所の再稼働手続きを進め、鹿児島県の九州電力川内原発に続いて、福井県の関西電力高浜原発でも、再稼働に向けた動きが活発になっています。
福島第一原発の事故では、情報の不足により誤った初動避難が行われたり、避難が必要な状態になっているにもかかわらず避難が遅れたりする事例が見られました。東日本大震災の教訓を踏まえれば、万一事故が起こった時に、マスメディアも含め、人々の避難を支援する情報インフラを、再稼働の前に整備しておく必要がありますが、再稼働そのものの賛否の議論が邪魔をして、こうした実務的な議論を進める環境が生まれていないのも現実です。
そこで、第17回の研究会では、「原子力災害 〜もしもの時の「情報共有体制」をどう準備する?」をテーマに、放射能モニタリングの情報をどのような方法で共有できるか、非常時にデータを使用するためにどのようなことに気をつける必要があるのか、行政が持っている情報以外に参考になるデータはないのかなどについて、各機関の担当者や専門家に話題提供をいただき、参加者も加わり熱心に議論が行われました。

開催日時

平成28年2月2日(火)14:00〜16:30
人と防災未来センター東館4階 兵庫県立大学 大教室

参加者

報道関係者、自治体職員等 計61人

次第

1.議事

1)福島第一原発事故発生時の避難情報伝達
科学ジャーナリスト  添田 孝史氏
2)滋賀県の放射線モニタリングへの取り組み
滋賀県防災危機管理局 原子力防災室 柏 貴子氏
3)セーフキャストの取り組み
放射線センサーネットワーク「Safecast」 アズビー・ブラウン氏

2.参加者同士の意見交換
多くの報道機関関係者、自治体職員、研究者も参加
講師との質疑応答の様子