No.8
投稿日:2017.11.09(木)
世界の言葉で届けられたラジオ放送。
音声だけなのに、ビデオテープが残ったのはなぜ?
FM放送の収録されたテープ
資料番号:289
寄贈者:FMわぃわぃ(たかとりコミュニティーセンター)
これは、神戸市長田区にある多文化・多言語コミュニティ放送局「FMわぃわぃ」の放送が収録された、VHSテープです。映像を録画できるVHSテープですが、このなかには、平成7年(1995年)から放送された番組の音声が、記録されています。当時は、放送をなるべく安く、1度に長時間記録する手段として、ビデオデッキでの3倍録画が行われていました。当センターには、およそ7年間の放送分、5681本のVHSテープが寄贈されています。
平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災は外国籍の人たちにも被害を及ぼし、緊急事態に言葉が通じない不安な状況が続きました。そのなかで、震災2週間後に韓国学園の一室から震災情報と韓国の音楽を放送した「FMヨボセヨ」と、4月にカトリック鷹取教会ボランティア救援基地に生まれた「FMユーメン」という2つのミニFM局から、「FMわぃわぃ」が誕生しました。
「FMわぃわぃ」は地震発生から1年後の平成8年(1996年)1月17日にコミュニティ放送局として正式に開局され、現在では、韓国・朝鮮語、ベトナム語、スペイン語、英語、タガログ語、ポルトガル語、中国語、タイ語、アイヌ語、日本語の10言語で、日々、長田から発信を続けられています。
現在「FMわぃわぃ」が臨時災害FM局の支援活動を行っている東日本大震災の被災地では、放送を大容量のハードディスクに同時録音しており、VHSテープが積上がる光景は、もう見られないそうです。音声や内容はもちろん、テープそのものも、貴重な存在になりました。
実際に資料をご覧になりたい方は、
人と防災未来センター資料室までお越しください。