特定研究プロジェクト

特定研究プロジェクト

社会の要請へ柔軟かつ機動的に対応するために、複数またはすべての研究員からなるチームが期間を限定して取り組む「特定研究プロジェクト」を設定しています。

黒田裕子氏の資料等分析による被災者支援の検証と継承
(令和元年度~令和2年度)

黒田裕子氏は、1995年の阪神・淡路大震災以降、避難所や仮設住宅等で『一人のひととして人の命を重んじる』ことを大切にした支援活動を展開されました。それらの支援は広く普及していき、現在のNPOやボランティアの活動、避難所・仮設住宅の環境改善の根源となっています。また、支援の経験・教訓から、福祉避難所の必要性を強く主張し、設置とその改善にも尽力されました。さらに、看護師として、災害に備えた退院指導や、発災後初期の救護所活動から仮設住宅での災害関連死を防ぐ見守り支援に至るまで、後の災害看護のあり方に多大な影響をもたらしました。そうした黒田氏の看護哲学や活動の経緯、活動内容等の検証・継承を目的に研究を進めていきます。

避難所運営マニュアル作成手引きの開発
S-スタンダードによる安全で高質な避難所の開設と運営の支援
(令和元年度~令和2年度)

日本の避難所は、“避難所の環境が昔と比べてあまり改善されていない”や、“スフィア基準に代表される国際基準を満たしていない”等、多くの問題が指摘されています。避難所の運営が、円滑にできないことや避難所の環境が悪いことは、健康被害や災害関連死に大きく影響を及ぼし、自立や自律度の低下の一因となることも懸念されます。また、被災地全体の治安や個人の生活再建にも影響すると考えられます。本研究では、「安全で高質な避難所運営により、避難所生活者の身体的・精神的負担を軽減し災害関連死を出さない」ことを目的にし、取り組んでおります。公衆衛生、安全、コミュニティーとの親和性、人権の4つの観点から、望ましい避難所のあり方について研究を進めていきます。

集客施設等における事業継続マネジメント(BCM)に関する実践研究
(令和2年度~令和3年度)

これまでの研究成果から得られている組織のBCMに必要な要素や理論に基づき、また、集客施設等の防災・事業継続体制の優良事例等の調査も踏まえて、人と防災未来センターの事業特性に適応した事業継続計画(BCP)に必要な要素を明らかにし、センターのBCP策定・BCMの定着および関係機関との災害時連携を目的とした実践研究を行います。今年度は、集客施設等におけるBCMの推奨必要要素の整理を行い、センターのBCP第一版を作成し、BCPに基づいた訓練を実施し、BCPの改善をするまでのBCMを組織文化に定着させることを目指します。

災害対策本部における紙地図の利活用に関する研究
(令和2年度~令和3年度)

災害対応では、関係者が被災地の状況を迅速かつ的確に把握するための状況認識の統一が重要である。そのための手法の1つとして、GIS等で作成した主題図による情報共有の有効性が指摘されている。しかし、多忙な災害対応業務の中で被災地の状況を的確に伝える主題図の作成は、限られた自治体職員の裁量や技術不足等の要因もあり難しく、特に発災直後の初動期において対応が困難となると考えられる。そこで本研究では、災害対応における状況認識の統一を効率的に行うために、GISの専門知識がなくても利用できる可能性のある紙地図に着目する。本研究では、災害対応初動期に紙地図を効果的に活用するための手引き・ツールの開発を最終目標とし、紙地図を用いた主題図の作成方法、作成した地図の共有方法を提示する。