特定研究プロジェクト

特定研究プロジェクト(令和4年度)

社会の要請へ柔軟かつ機動的に対応するために、複数またはすべての研究員からなるチームが期間を限定して取り組む「特定研究プロジェクト」を設定しています。

対話型ミュージアムをひらくワークショップ手法の開発(令和3年度~令和5年度)

 災害や戦災のことを伝える・教えるミュージアムは国内外にたくさんあります。ところでそうしたミュージアムのほとんどは、主題とする災厄について、すでに定まったデータや歴史や知識を整理して来館者に教えるスタイルで、人と防災未来センターも基本的には同様です。しかし災害は、定まった答えだけでは綴じきれない体験や問いや境遇を生み出す出来事です。こうした問いに開かれてゆく対話型ミュージアムをつくるためにはどうすればよいか。研究員が企画するワークショップを通じてたしかめます。

特別支援と防災教育のあり方に関する研究(令和3年度~令和4年度)

 近年、特別支援学校の防災教育の優れた事例について焦点が当たる機会が増加しています。しかし、特別支援の場における防災教育は、児童生徒の特性や個別事情に配慮した教育デザインが必要であるため、教育の質は学校の力量やマンパワーに依存することが考えられます。公教育で質的な差が生じているとすれば、実質的な学習の機会の保障について検討することは重要であると考えます。今年度の研究では、特別支援の場における、防災教育の実態、課題を明らかにします。

ゆに×ゆにプロジェクト:未就学児家庭の防災課題共有ワークショップの開発と実証(令和4年度~令和5年度)

 防災行政や育児保健行政の施策から抜け落ちやすく、また施策や研究の対象とされても「保護」「啓発」の眼差しの下に置かれやすい未就学児家庭の防災について、保護者の不安や困難の固有性を普遍的な感受性や自己効力感に転化させるワークショップを開発・提案することを目的としています。

災害時における小学校内の危険と対処法:防災絵本と防災双六の製作に向けた基礎的研究(令和4年度)

 本研究では、(A)小学生向けの防災教材に必要な要素は何か、及び(B)防災教育に必要な要素を教材にいかに組み込むかという2点を解明し実践へ応用するために「防災絵本」と「防災双六」に着目し、(1)災害時における小学校内での危険な場所や状況の解明、(2)危険を回避するための方法の検討、(3)「防災絵本」や「防災双六」の製作に向けた研究結果の整理という3つの研究目的を設定し、小学校等でのヒアリングを通じて教材開発に取り組みます。

国家緊急事態における政府継続(COG)についての調査研究:政府資料分析の基づく課題整理と再検討を中心に(令和4年度~令和5年度)

 首都直下地震や南海トラフ地震をはじめ、日本では長らく国難級大規模災害の発生リスクが指摘されています。それに加え、近年ではパンデミックによる大規模感染症のまん延を経験するとともに、安全保障環境の構造的変化に伴う人為的な緊急事態の発生リスクも高まっています。そこで、本研究は、国家緊急事態における「政府継続(Continuity of Government; COG)」に焦点を当て、日本の政府継続に関する法制度・政策上の特徴を明らかにし、今後の体制整備に向けた課題を検討します。