震災資料語り〜ものがたり〜

No.6

投稿日:2017.11.09(木)

寒い。あたたかいものが食べたい。
どうすれば、それが叶うのですか。

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炊き出し用大鍋、炊き出しで最初に提供されたうどんの器、連日の炊き出し風景 一回の食事に2千人が並ぶ

資料番号:250-022001、1200792-000011、1300322-000166

寄贈者:灘中央地区ボランティア、森原良美氏、神戸元気村

阪神・淡路大震災は、凍えるように寒い真冬の1月に発生しました。被災者は、あたたかい食事を欲して、壊れた家屋から資材を集め、火を焚き、水や調理器具を調達し、自ら炊き出しを始めました。熱い気持ちで提供された食事は、地域の人びとに分かち合われました。また、他地域から食材と調理機材を携えて支援に訪れた人びとへの有難さも噛みしめられました。現在、震災資料として保存されている調理器具は、当時の人びとの繋がりとあたたかさを伝えています。

関連情報

炊き出しは現在でも、災害発生時に盛んに行われる被災者救助のひとつです。被災者たちが自力で行うこともあれば、外部から炊き出し部隊が被災地に入り、被災者に食事を提供することもあります。

パンやおにぎりなどの冷たい食事が続くなか、あたたかい炊き出しはよろこばれましたが、一方で課題もありました。そのひとつがメニューのバリエーションです。大量に作って提供することを考えると、下ごしらえが容易で作りやすいメニューに偏りがちですが、被災者にとってはそれがストレスになることもあります。作ってくれるボランティアに対してその不満を言い出せずにガマンし、更なるストレスになることがありました。また短期的に活動する団体が交代で炊き出しを行うと、以前出したメニューが何なのかわからず、更に食事が偏ることになります。

こうした課題を踏まえて、被災地で日常に近い食事を限られた調理機材で、長期的に配食可能な炊き出しシステムの開発が進められています。2週間の基本メニューを5〜10人のチームが2時間で調理する体制を構築し、1日3回の食事を無理なく提供できるように考えられています。また災害時に限られた食材しか手に入らない状態でも、できる限り味や栄養を考慮した食事をとることができるよう、様々なメニューが開発されてきています。


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